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「僕の韓国原体験と追憶」

02年に初めて訪れた韓国。この時は日韓W杯において韓国は4位という快挙に沸きかえり、まだまだ興奮の余韻が残る雰囲気であった。
きっかけは、友人の紹介で知り合った「Oさん」という韓国人に会うためだった。この旅行の様々な場面で日本人が忘れかけていた「情」に感激し、それからというものの何度も韓国を訪れてきた。初めての韓国旅行の帰り間際、釜山金海空港でくれたOさんの電話が忘れられない。
「豊田さん、これからは一生友達ですから」‥‥。

そして08年9月‥‥もうすぐ10月だというのに汗ばむ陽気の韓国大邱市。大邱タワーの展望台から広がる市街を遠望しながらOさんは気になる一言を放った。「在日の人はかわいそうです、差別されてきましたから」。
その時僕は幼少時代、クラスの悪ガキが在日の少女に差別発言をした記憶や、道路に唐辛子が敷き詰められたバラック建ての在日の部落を目撃した体験が蘇り、喉元までこみ上げてきたが、ぐっと息を飲み込みながら静かに彼の言葉に頷いた。

日本人は集団主義が得意であり、一丸となりやすい国民性である。明治維新以降富国強兵路線をとり短期間で欧米に肩を並べる一等国に成り上がった。しかし、それは徐々に盲目にエスカレートし、太平洋戦争に突入。「一億総玉砕」叫びながら、アメリカに敗戦。
戦後は持ち前の集団性を発揮し、アメリカの庇護の下経済成長を成し遂げる。外国人から見ると、サッカーのJリーグの例をたとえるまでもなく、短期間で力をつける日本の底力に脅威と畏怖の念を抱いているそうだ。
しかしこれは光の部分であって、闇の部分は排他的、少数派を排除するという社会心理が潜んでいたのだ。右へ倣えという社会構造少数派、個性派は変だというレッテルを貼る歪な日本の社会。

しばらく大邱市街を眺めながら、続いての韓国原体験も思い出した。

~ソウルオリンピック前夜の87年。当時父が、勤務する水産会社が韓国で合弁会社を立ち上げるということで、技術指導のために渡韓。帰国するや否や父は韓国フリークに変貌していた。それから父は何回も韓国へ出張し、帰国するたびに僕に韓国事情を話してくれたのであった。
そしてバブルに沸く88~89年の日本。僕は土建業のガードマンのアルバイトをすることとなった。
その現場では外国人労働者が汗にまみれながらつるはしを振り下ろしてしいた。ここの土建業の社長は在日であり、作家の阿部譲治のような風貌で、もろに「その筋の者」といった風貌であった。
そして現場には、彼の親戚筋らしい韓国人労働者がいた。
僕は喧嘩しているように聞こえる韓国語を喋る姿に驚きながらその労働者に話しかけた。
「チョー・ヨンピル」、「プロヤグ(プロ野球)」、「ソン・ドンヨル」、「チェ・ドンウォン(当時韓国ロッテ・ジャイアンツの投手)」、「ソバンチャ(当時の韓国の男性アイドルグループ)」など知ってる限りの韓国語を連発、なんとか通用し意気投合したものだ。そのせいかどうかは分からないが、この土建業の社長に気に入られたものだ。
当時の僕はロック少年、そして映画好きであった。「韓国の映画、音楽を追求しよう」と思い、「恐怖の外人球団」(韓国プロ野球の内容で、はぐれ者集団が強豪球団に挑むという話。アン・ソンギが監督役で主演)という韓国映画を鑑賞。しかしながら、「韓流」の現在では考えられないアナクロな内容(失礼!)、そして全体的にも演歌調の韓国の音楽。少し失望し、ここでしばらく韓国体験は遠のいていくことに。

時代は移り変わり2000年。「ハリウッドばりのアクション」が売りの韓国映画、「シュリ」を観に映画館に足を運ぶことになった。「ホントにアクション全開?」の疑念や、先述した「恐怖の外人球団」が「日本の15年前の映画」のイメージが先行していたが、スクリーンから飛び込む映像は僕の予想を遥かに覆すほどの感動の連続であった。映画館を出た後は「日本の映画界、全然負けてるやん」‥‥。その後の韓流ブームに連なる出発点となる映画がこの「シュリ」である。

現代の世界は、90年前後の東西冷戦終結を経て世界経済はグローバルなものとなった。
アメリカは新たに世界の超大国として繁栄し、中国は78年の改革開放路線後、89年の「6.4天安門事件」など紆余曲折を経ながらも経済成長が加速している。もはや中国は新興経済成長国BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国)の一角を担っている。欧州は東欧共産主義体制崩壊後、EU(ヨーロッパ連合)を立ち上げ欧州統一に邁進している。
そして、かつて東洋で唯一の経済大国であった日本も自然に国際化・グローバル化の渦に巻き込まれることになっていった。この現象の結果が僕の周りにいる韓国人、中国人の友人たちだ。今や日本国内で中国人や韓国人などの東洋人以外にも様々な外国人が日常的に見かけることとなった次第だ。

これからもずっと続くであろう韓国人たちとの交流。すでに日常生活となって久しい。人生の楽しさも何倍にも拡がったのは言うまでも無い。海の彼方の半島には僕にとって未知なる可能性がまだまだ拡がりそうだ。



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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

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拝見しましたよ。今後の展開をたのしみにしてます。
プロフィール

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Author:btripper
小学~中学生までは漫画家、中学~高校~大学はロックギタリストとして疾走、大学時代はバンド活動の傍ら執筆活動を行う。社会人になっても水面下で執筆活動は続き、やがてミニコミ・同人誌「Wille」(現在の活動の前身)を立ち上げることとなる。
21世紀に入り国際交流(アジアが主)に目覚め、国際交流&出版活動
の融合を謳う今日この頃である。

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